「第一回ゲスト 恒松正敏」

「オートマチック・フラ」
 

ナンバ: お聞きいただきましたのはフリクションで「Live 1980」から「オートマチック・フラ」でした。

地引: やっぱりもう何回聴いてもフリクションはすごいなあという感じなんだけども

恒松: うん。すごい(笑)

地引: 結局だけど、あの正式なアルバムとして参加したのは1枚だけでしょ

恒松: うん。一枚だけだね。
これは最近になって当時のレコード化されなかった音源がでてきて。

地引: 最近また自主制作でフリクションが一番最初に出したシングル盤が

恒松: PASSの3曲入りの

地引: CDになったりとか。やっぱりいまだにフリクションのパワーというのが今に続いているなという感じなんだけど。

恒松: うーん

地引: で、その突っ走っていたフリクションから突然脱退しちゃってまたソロになっちゃう訳ですよね。

恒松: うん。そう。まあソロ体質というのが自分に中にあるかもしれないなと思うんだけどね。

地引: やっぱりフリクションでは、ボーカルとらなかったんだけども、やっぱり自分が中心になてやりたいというのは常に?

恒松: うーん、やっぱりフリクションも自分の一部で全力投球したつもりなんだけども、フリクションに収まりきらない自分の部分があって、たぶんだんだんそれがふくらんできちゃったということかなと、今思いますけどね。
それでまあまた一人で音を作りたくなったっていうのが。

地引: 抜けてすぐでしょ、このソロのアルバムを出したのは。

恒松: うーん、ちょっと今記憶が曖昧なんだけど、抜ける頃となんか時間的にダブってるかもかなと(笑)

地引: そのころにはもう自分で

恒松: レコーディング始まってたか、もう曲は作ってたんじゃないかなと。

地引: で、そのソロのフリクション抜けてすぐ4曲入りのマキシシングルを出すんだけども、これが今聴くとすごくいいだよね。

恒松: うんうん。へへ

地引: 実はオープニングにかけたのもその中の「ギア」って曲だったんですけれども、その中からもう一曲「にがしたはじまり」を聴いてみたいと思います。

ナンバ: それではおききください。ツネマツマサトシ「にがしたはじまり」


オートマチック・フラ」…
CD「Live 1980」収録。1980年5月25日神奈川大学でのライブから。

 

 

「にがしたはじまり」
 
ナンバ: おききいただきましたのはツネマツマサトシ「にがしたはじまり」でした。

地引: これはほんとに今聴いても新しい気がして。

恒松: うん・うん。いやその通り(笑)

地引: まったくこれ一人で全部やってて。

恒松: ただリズム隊だけは当時最新鋭のMC8っていうコンピュータがあって、オペレーターが一人いて僕がこう指定して、あとは全部自分で楽器かぶせてたった一人で作った。

地引: 確かライブもこの当時一人でやってたんだよね。

恒松: ちょこっとやろうとしたけど。やってたことはあるけどかなり無理があった(笑)

地引: なんかライブはからり寂しい感じが(笑)一人で打ち込みのリズムボックスかなんかとギターで歌うという、ちょっと無理があるなという感じもなきにしもあらずという。

恒松: うんうん。かなりあれはしんどかったけどね。

地引: それがだんだんほかの人とやりだしてバンドとして形ができていく訳なんだけどね。

恒松: だから、また自分と違う人間と作り上げる音楽をまたやりたくなってきたということかな。

地引: でできたのがE.D.P.S。

恒松: ボーイっていうドラマーと出会って、こいつとなんかやれそうだと、でバニラっていうベーシストが来てそれでE.D.P.Sになると。

地引: なんかその3人がそろうとステージ映えするというか、音のよさもそうなんだけど、見た目のよさというのもあるんだよね。

(写真をナンバさんに見せる)

いいでしょ、なかなか

ナンバ: かっこいい

地引: 男の世界っていう感じがするでしょ。背中に男気とか(笑)

恒:意外とそうでもない。でもみんな九州出身でね、その当時は「めんたいビート」って博多出身の連中のがあったけど、「ウラめんたい」とか呼んでる人もいたかな(笑)とかよくわかんないけど

地引: 初めてきいた(笑)

恒松: 俺が熊本でしょ。ボーイが宮崎かな。でバニラが大分でね。偶然そうだったんだけど。

地引: 1枚目のブルースフィンクスが出る前に実は「テレグラフレコード」というのが昔ありまして、(ナンバさんに)知ってる?

ナンバ: 存じております(笑)

地引: えー私がやってたんですけど、インディーズレーベルの走りみたいな、そっから最初に3曲いりのミニアルバムをE.D.P.Sとして出して、その後に所謂メジャーから3枚くらいアルバムを出してるんだけど。1枚目は実はベースがバニラじゃないんだよね。

恒松: そうなんです。まさにいろいろあってね(笑)バンドってね(笑)
急遽井出君ってのがベースを弾いてて。

地引: でベースのミュージシャンとしての力は井出君のほうがあるような気はするんだけど。

恒松: ま、キャリアとしてはね。

地引: なぜかステージに立つとバニラのほうが合うという。あのへんがバンドの不思議なものを感じるよね。この3人が人を引きつけるパワーが生まれるっていう。

恒松: そうねー。

地引: である意味E.D.P.Sが80年代の恒松正敏の一つのピークとして活躍したというか。

恒松: これもアルバム3枚だしてまた解散しちゃうんだけどね(笑)やっぱり2年半くらいかな。

地引: まあ実質的なデビューアルバムとなるブルースフィンクスからの曲を聴いてみたいと思います。

ナンバ: それではおききください。E.D.P.Sでアルバム「ブルースフィンクス」からBe Your Slave」


にがしたはじまり」…
EP「TSUNEMATSU MASATOSHI」収録。後にCD「1981+1987」にも収録された

 

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