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80年代ニューウェーブ・カルチャーの拠点「ナイロン100%」の全貌が一冊の本に 東京ロッカーズと時を同じくして、1978年に渋谷宇田川町にオープンしたロック・カフェ「ナイロン100%」。近未来をイメージさせる白一色の無機的なそのスペースは、その後、ニューウェーブ・カルチャーのメッカとして、様々なミュージシャン、アーチストを引き寄せ、ひとつの時代を牽引していった。 プラスチックス、ヒカシュー、アーント・サリー、8 1/2(はっかにぶんのいち)などのライブがその狭い店内で行われ、やがて常連客だった戸川純が時代のアイコンとして巣立っていく。 その名前は今なお語り継がれているものの、「ナイロン100%」の実態についてはこれまでまとまった記述はなかった。開店30周年を迎えた今年、初めてその全貌が、タイトルも『ナイロン100%』という一冊の本にまとめられたのだ。 400ページを越える分厚いこの本には、戸川純、巻上公一、久保田慎吾、上野耕路、Phew、高木完、サエキけんぞう、ブラボー小松、ケラ、大槻ケンヂをはじめとする多くのミュージシャンや、店長の中村直也ら関係者のインタビューが満載されており、彼らの語る様々なエピソードから、当時の生き生きとした空気感が伝わってくる。(『イーター』の地引雄一もインタビューおよび写真で参加) ひとつの場所とそこに集まる人々のヴィヴィドな精神が豊かな時代を生み出していった、そのポップなドキュメントとして、実に興味深い読み物となっている。
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