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●仙台短編映画祭「ショートピース!」開催
最近、改めてその面白さに注目が高まっている短編映画を特集した映画祭が、昨年に続き9月21日から仙台で開かれる。「ショートピース」と題されたこの映画祭には7つのプログラムが用意され、内外の短編映画の多様な魅力が詰め込まれている。
●仙台短編映画祭2002「ショートピース!」
期日:2002年9月21日(土)〜23日(月)
会場:せんだいメディアテーク7Fスタジオシアター
料金:当日1プログラム 1,000円/前売り回数券(3回券) 2,500円
問い合わせ:022-713-4483 仙台短編映画祭実行委員会事務所
short@smt.city.sendai.jp
<プログラム>
A:矢口史靖+鈴木卓爾 ワンピース新作・傑作選
B:2001年映画の旅(黒沢清、阪本順治、青山真治作品)
C:ヨーロッパ短編映画特集(フランソワ・オゾンほかフランス短編作品)
D:アメリカ短編映画特集
E:韓国短編映画特集
F:コンペティション作品(ゲスト来場予定)
G:特別企画・弁士楽団付き無声映画『十二月の三輪車』(早藤まき監督. 1996)
特別料金 当日 800円 1ドリンク付き
日程:
21日12:00/A.14:00/F.16:30/D.18:30/G
22日12:00/B.14:00/E.16:00/G.18:30/C
23日12:00/C.14:00/D.16:00/G.18:30/コンペ審査発表
http://prj.smt.city.sendai.jp/~shortpiece/
●山本政志新作『リムジン・ドライブ』プレミア公開決定
破天荒な活躍を続ける山本政志監督が、『イーター』6号のインタビューでぶち上げていたニューヨークを舞台とした新作映画が完成、ついに国内で公開されることになった。
この映画『リムジン・ドライブ』は、山本監督以外のスタッフは全て現地のメンバーでかため、キャストも日本人は三人だけ、全編ニューヨークで撮影という、まさにボーダーレスな画期的作品だ。
主なキャストは、主役のタクシードライバーにファンク・ベーシストのT.M.スティーブンス、彼と共にトラブルに巻き込まれる日本人コギャル観光客にオーディションで選ばれた仲裕賀子、他に『JUNK
FOOD 』で強烈な存在感を示した鬼丸、スパイク・リーの弟で山本政志とも親しいサンキ・リーなど、人種国籍を越えた多彩な顔ぶれがそろう。
昨年中に完成し、国内公開が待たれていた『リムジン・ドライブ』だが、ようやく公開予定が具体化し、まず3月26日(月)に渋谷公会堂で先行プレミア上映が行われることになった。詳細は新設された『リムジン・ドライブ』オフィシャル・サイトに順次発表されることと思うが、山本ファンならずとも絶対に見逃せない注目作だ。
・『リムジン・ドライブ』オフィシャル・サイト
http://www.l-drive.ne
●若松孝二、石井聰亙、塚本晋也作品を連続オールナイト上映
テアトル新宿では8月11日、18日、25日の各土曜日、Japanese Altanative Movies’Nights!〜3夜連続 若松孝二・石井聰亙・塚本晋也 監督特集〜と題したオールナイトイベントを行う。これは60年代から現代にいたるまで、日本のオルタナ・シーンを牽引してきた3人の映像作家の特集上映だ。
再びパンク色を強めた新作『Electric Dragon 80000V』を発表した石井聰亙、待望の新作『六月の蛇』の準備を開始した塚本晋也、そして「反権力」を基調にパンクの原点ともいえるアナーキズムをうたった若松孝二。あえて「異端」に身をおきながら、今もなお疾走しつづける彼ら3人が、時代と寄り添う中で鬱積したエネルギーを叩きつけてきた作品の数々を連続上映し、「真に過激なこと・真に過激であること」とは何なのか、今、ここで検証する。
■ Japanese Altanative Movies' Nights!!
ニッポン・オルタナ・ナイト〜3夜連続 若松孝二・石井聰亙・塚本晋也 監督特集〜
8月11日(土) 若松孝二監督特集
『胎児が密猟する時』 1966
若松孝二の“妄想”を足立正生が脚本化した濃密な調教劇。
『情事の履歴書』 1965
監督:若松孝二 脚本・大和屋竺のコンビによる初期の代表作。
『現代好色伝 テロルの季節』 1969
テロリストのダンディズムを描き、時代を手玉にとった佳作。
『天使の恍惚』 1972
さる大手全国紙に“無差別テロ映画”と非難された若松孝二最大の問題作。
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8月18日(土) 石井聰亙監督特集
『ノイバウテン 半分人間』 1986
ドイツのノイズ・ミュージシャン、ノイバウテンをとらえた異色作。
『逆噴射家族』 1984
小林よしのり原案。最も過激なホームドラマ。
『爆裂都市 Burst City 』 1982
ザ・スターリン、大江慎也、町田町蔵ら、80年代パンク・シーンを支えたミュージシ
ャン達が大量出演!
『シャッフル』 1981
大友克洋原作、音楽はあのヒカシューが担当した幻の名作。
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8月25日(土) 塚本晋也監督特集
☆ご来場のお客様にもれなく「塚本フライヤー」(B6モノクロチラシ8枚セット)プレ
ゼ
ント!!
『鉄男』 1989
当時無名だった塚本晋也が世界映画界に衝撃をくらわせた傑作!
『鉄男2/BODY HAMMER』 1992
『鉄男』に次ぐ、SFアクション・カルト・エンタテインメント。
『TOKYO FIST/東京フィスト』 1995
愛と憎しみが肉体を破壊する・・・バイオレンスが炸裂する塚本恋愛活劇。
『BULLET BALLET/バレット・バレエ』 1999
世紀末、都市の滅亡を強烈に描いた銃弾バレエ。
料金:2500円均一
※当日13:00よりテアトル新宿窓口にて整理番号付きチケットを販売いたします。
8/ 11、18 開場 22:30/開映 22:40
8/ 25 開場 23:30/開映 23:40
お問い合わせ:テアトル新宿 03-3352-1846 theatre@ask.ne.jp
THEATRE SINJYUKU「テアトル新宿研究読本」まぐまぐID 51423
http://www.cinemabox.com/
●遠藤ミチロウ全歌詞集いよいよ発売、書店サイン会も開催
以前この欄で紹介し、発売の遅れていた遠藤ミチロウ全歌詞集『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』が、ようやく6月27日付けで発売されることになった。(発行:株式会社ソフトマジック)スターリン時代からの全歌詞に、新たに録音されたCD「トリビュート・スターリン・バイ・ミチロウ」が付いて2800円(税別)。この発売を記念したサイン会が、6月29日(金)午後6時から渋谷パルコブックセンターで開催される。
また、今年2月28日に行われたザ・スターリン復活ライブのビデオが、『吐き気がするほどロマンチックだぜ!!』のタイトルで、ミチロウ自身のレーベル北極バクテリアから7月上旬にリリースされる。(57分.\3500)
6月30日(土)には渋谷アピア(03-3464-9590) でビデオ発売記念ライブもあり、ビデオの先行発売も予定されている。
link:
遠藤ミチロウ/OFFICIAL
HOMEPAGE
●石井聰亙×浅野忠信×永瀬正敏=『ELECTRIC
DRAGON 80000V』爆裂!
石井聰亙が『五条霊戦記』の前に、浅野忠信と永瀬正敏とともに撮り上げていた作品『ELECTRIC DRAGON 80000V』が、7月20日から渋谷シネマライズで公開されることになった。
『ELECTRIC DRAGON 80000V』は、浅野忠信と永瀬正敏の演じる二人の怪人の対決を描いた、ハイテンションでパワフルな映像が疾走する生粋のパンクロック・ムービーだ。音楽を石井聰亙が小野川浩幸と結成したバンドMACH1.67(ボーカルは浅野忠信)が担当し、ライブ感あふれるサウンドが炸裂する。(MACH1.67
のライブ情報は下のニュースを参照)
久々にワイルドなテーマに挑んだ石井聰亙が、当代を代表する俳優である浅野忠信と永瀬正敏とのコラボレーションによって作り上げた、映画の概念を超えた快作。先日の試写会にも超満員の観客が詰めかけ、早くも熱気が高まっている。
◆『ELECTRIC DRAGON 80000V』
監督・脚本:石井聰亙/プロデュース:仙頭武則
出演:浅野忠信・永瀬正敏/ナレーション:船木誠勝
音楽:小野川浩幸+MUCH1.67(浅野忠信Vo.Gr,小野川浩幸, 石井聰亙, 植野隆司Gr, 藤乃家舞Bs,Kujun Dr,永瀬正敏guest
Vo, 岩井田道元guest Bass)
@渋谷シネマライズ(渋谷公園通りパルコパート3前 03-3464-0051)
7月20日(金/祝)よりレイトショー公開 連日21:45 上映
7月21日(土)〜8月31日(金)のみAM10:35 からの上映もあり
当日料金:一般 \1,500 学生 \1,300 小中学生及シニア \1,000
特別鑑賞券\1,300(いずれも税込み)
link:
ELECTRIC DRAGON-80000V
●戸川純『樹液すする、私は虫の女』新装版、4月発売!
戸川純が1984年に発表した唯一の書き下ろし『樹液すする、私は虫の女』の新装版が、早くも完成した。書店に並ぶのは4月17日頃の予定。
『樹液すする、私は虫の女』新装版には、子供時代から芸能界に至るまでのエピソードを表したエッセイ、歌詞の原型となった詩、そしてショートストーリーに加え、84年以降に発表された文章や、新装版のための後書きが新たに加えられている。また、たくさんのストックから選ばれた未発表写真も多数掲載、若き日の戸川純の可憐な表情をとらえたショットの数々が素敵だ。
当時からの戸川純ファンにも、最近新たにファンになった人達にも、嬉しい待望の新装版発売だ。
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☆『樹液すする、私は虫の女』
戸川純 著
定価 1500円+税 2001年4月17日発売
発売 ABC出版 |
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●幻の名盤解放同盟の幻の本が合本で復活。『幻の名盤百科全書』発売
おなじみ幻の名盤解放同盟(根本敬、湯浅学、船橋英雄)の名著『ディープ歌謡』と『夜、因果者の夜』が、一冊の本になって蘇った。
埋もれた歌達に光をあて、世の中の凝り固まった常識に風穴を開ける名盤同盟の代表作『ディープ歌謡』と、因果な歌や因果な人々を追うフィールドワークの集大成『夜、因果者の夜』。発売元のペヨトル工房が活動停止したため絶版になっていた二冊が、百科事典なみの分厚さに合本され、『幻の名盤百科全書』として豪華に再刊された。まさに、名盤のバイブルとも言うべき決定版だ。
◆『幻の名盤百科全書』
幻の名盤解放同盟(根本敬、湯浅学、船橋英雄)著
発行:水声社.定価:3000円+税
●スクリーミング・マッド・ジョージの豪華自伝『変態』発売!
スペシャル・メークアップ・アーチストとしてハリウッドで活躍する日本人、スクリーミング・マッド・ジョージの自伝が発売された。
『変態』と題されたこの本は、A4版の大型本、 300ページを超える厚さに写真を満載した豪華なもの。マッド・ジョージのこれまでの歩みが語られているとともに、彼が手掛けたスペシャルメークの仕事が、図版や写真を多用して実に丁寧に解説されている。スペシャルメークやSFホラー映画に興味のある人には必携の本だ。
また、マッド・ジョージは自らバンドを率いてライブ活動を行ったり、マリリン・マンソンを始めとする多くのミュージシャンのミュージック・ビデオを手掛けるなど、ロック・シーンとも関わりが深い。彼のそんな多面的な魅力も、この本から充分にうかがい知ることができる。
ちなみに『変態』とは、変質者のことではなく、TRANSFORMATIONのこと。常に変わり
続けるマッド・ジョージその人を表した言葉だ。
『イーター』次号にスクリーミング・マッド・ジョージのインタビューが掲載されるが、このホームページ上にも、近々最新インタビューをアップする予定。ご期待ください。
★『変態』−TRANSFORMATION−
スクリーミング・マッド・ジョージ著
発行:トランスワールドジャパン (TEL 03-5721-3850 / FAX 03-5721-7071)
2001年2月10日発売 定価: 2,000円+税
●戸川純の書き下ろし単行本『樹液すする、私は虫の女』新装版で復刊
1984年に勁文社から発刊された、戸川純の書き下ろし単行本『樹液すする、私は虫の女』が、装いも新たに復刊されることになった。
戸川純のエッセイ、詩、小説を網羅した唯一の書き下ろし作品として、多くのファンから復刊を望まれていた『樹液すする、私は虫の女』だが、自らも戸川純の大ファンであるABC出版社長の荒井氏の熱意によって、本人の快諾も得て、再刊が実現することになった。
子供の頃の想い出、歌唱についてなど、戸川純のルーツに触れる絶好の書。当時の装丁や使用写真が残されていないこともあり、未使用写真を加えて、再編集新装版としてよみがえる。ABC出版より、4月上旬刊行予定。予価1500円。
●流通拒否!『まんがサガワさん』を入手するには
佐川一政初の書き下ろし漫画『まんがサガワさん』が、大手書籍取次ぎ業者から流通を拒否されたことは既にお知らせしたが、結局直接取引のできる一部の書店に限って店頭に置かれている。
猟奇殺人事件の当事者がそのありさまを漫画にするという、前代未聞のこの本、流通拒否によってますますその希少価値が高まった。根本敬が序文で書いているように、「この漫画こそ正真正銘のアウトロー・アート、そうとでも呼ぶしかない」。妄想的リアリズムと極北の諧謔。読む方にも覚悟がいる。
『まんがサガワさん』(佐川一政作画、オークラ出版、1200円+税) を扱っている書店は次の通り。中野「タコシェ」、池袋「芳林堂」、「青山ブックセンター」、ほかにマンガ専門店でも取扱い中。
詳しくは発売元のオークラ出版へお問い合わせを。
問い合わせ先:オークラ出版 Tel.03-5275-7685
根本敬の序文より
「この漫画には、全世界の漫画家が束になっても誰もかなわない。何故なら、サッカーの試合に一人柔道のルールで挑んでいる様なものだから。
だが、そこが強みで、少なくとも私がブチ壊したくとも壊れぬぶ厚い壁を、ススッっと(まるで物の怪の様に)通り抜け、超えたくとも超えられぬ高いハードルの下を、何喰わぬ顔でホイホイと腰をかがめもせず潜り抜けている。」
●NYアンダーグランドの奇才、リチャード・フォアマンの世界『反響マシーン』
巻上公一が数年前から意欲的に紹介しているニューヨーク・アンダーグランドの劇作家リチャード・フォアマン。その刺激に満ちた世界を伝える単行本『反響マシーン/リチャード・フォアマンの世界』が出版された。
リチャード・フォアマンは60年代末から現在まで、ニューヨークを中心に前衛的な演劇活動を展開。95年には、巻上公一の演出によって彼の作品『マインドキング』が日本で初めて上演される。2000年11月にはリチャード・フォアマン率いるオントロジカル・ヒステリック・シアターが初来日をはたし、新作『バッド・ボーイ・ニーチェ』が上演された。
『反響マシーン』は巻上公一と演劇評論家・鴻英良の編になるもので、二人によるフォアマンの紹介、フォアマンへのインタビュー、フォアマンとコリン・ウィルソンとの対談、上演テキスト等、様々な角度からその奥深い世界へ迫っている。
それにしても、中央アジアのホーメイ、ユダヤ音楽クレズマー、そしてリチャード・フォアマンと、巻上公一が伝えてくれる世界は実に多彩で豊かだ。
☆『反響マシーン/リチャード・フォアマンの世界』
巻上公一/鴻英良編 勁草書房 \2,800+税
・勁草書房
http://www.keisoshobo.co.jp
・巻上公一の『音楽なら極楽』
http://www.makigami.com/
●ゾンビ映画ファンのバイブル『ゾンビ手帖』絶賛発売中
ゾンビ映画の全てを収めた単行本『ゾンビ手帖/NOTEBOOK
OF THE LIVING DEAD』が、日本一のゾンビ・マニア、タコシェ店長の伊東美和氏によって自主出版された。
400ページを越える本書は、自主出版の範疇をはるかに越えた力作。中でも圧巻なのはゾンビ映画のカタログで、 256本のゾンビ映画が詳しく解説されている。これだけの映画をほとんど観たというのもすごいが、特に日本では見る機会の少ないヨーロッパのゾンビ映画に力を入れているのが、底の深さを感じさせる。
ほかに、ゾンビ映画の監督や香港キョンシー映画についての解説、ゾンビ・コラム、ジョージ・ロメロの『死霊のえじき』のオリジナル脚本など、世界にも類のないような充実した内容。
タコシェなど特定の書店でしか扱っていないが、ホラー映画ファンなら、ぜひ手にしたい一冊だ。
入手方法などの詳細は「ゾンビ手帖」のホームページで。
・ゾンビ手帖HP
http://www.rr.iij4u.or.jp/~django/
● 『まんがサガワさん』書店流通拒否される!
12月24日発売予定だった佐川一政の初の漫画単行本『まんがサガワさん』が、東日販などの書籍取次ぎ会社から流通を拒否されてしまった。内容に問題があるということなのだろうが、取次ぎ会社が自主規制をするというケースは、きわめて異例だ。
このため『まんがサガワさん』は、中野タコシェや青山ブックセンターなど、出版社と直接取引可能な、ごく一部の書店でしか扱われないことになった。
この件に関して、当事者の佐川一政氏からコメントが送られてきたので、紹介しよう。
『まんがサガワさん』の出版に関して 佐川一政
「自分の事件を売りものにする為でも、まして猟奇犯罪を美化して挑発する為でも、このマンガを描いた訳ではありません。
過去の自分を、マンガという手段をもちいて、いわば垂直に貫いたところ、その辺りに溜まっていた地脈がどっと溢れ出したというのが本当のところです。
これまでにもベストセラーになった『霧の中』など、事件について文章で書いてきましたが、ど素人であるマンガという絵を選択すると、ある意味、身も蓋もない側面があらわれ出したのです。
少年犯罪が多発する中、犯罪へと駆り立てるものは何か、その犯罪の最中に於いて、当事者は何を考え、何を思い、そして犯罪がおわった時、どこへ着地しているかの、何らかのヒントを感じて頂ければ幸いです。
マンガですから、思い切ってデフォルメしましたが、そのデフォルメの中に、通常の文では表現出来ない真実がみえてきたと思っています。」
● 佐川一政、マンガ家に転身?「まんが・サガワさん」発売決定
「イーター」でもおなじみの佐川一政が、今度はマンガ家としてデビューすることになった。佐川一政・作画の単行本「まんが・サガワさん」が10月下旬(予定)にオークラ出版から発売される。(予価1000円+税)
もともと絵も得意な佐川一政が、根本敬のアドバイスを受けマンガに挑戦。あのパリ人肉事件を自らマンガで再現した。ベストセラーとなった実録「霧の中」のマンガ版というべき内容だ。巻末には根本敬との対談も収録される。世紀末を飾る一冊。
● 塚本晋也監督の傑作3作品がDVDでリリース
新作『バレット・バレエ』でそのパワーに更に深みを加えた塚本晋也監督の代表作3作品がDVDで発売される。今回リリースされるのは、衝撃的デビュー作『鉄男』、肉体のエネルギーが炸裂する『東京フィスト』、そして渾身の最新作『バレット・バレエ』。塚本監督率いる海獣シアターが製作した「純正」塚本作品の3作だ。
DVD化にあたっては監督立会いのもとに厳密な調整を行い、ニューネガテレシネ、ニューマスタリングによるハイクオリティを追求、また『鉄男』の未公開カットなどの特典も付加されるという。
世界を舞台に展開する塚本ワールドをDVDで楽しもう。(まずはDVDプレーヤーが必要だけど)
- 『鉄男』 … 1989年/モノクロ/67分 \5800
7月25日発売
- 『東京フィスト』 … 1995年/カラー、ステレオ/87分
\5800 8月25日発売
- 『バレット・バレエ』 … 1999年/モノクロ、ステレオ/87年
\5800 9月25日発売
発売:アクセスエー、ゼアリスエンタープライズ 販売:ビームエンタテイメント
Link:
バレット・バレエ
オフィシャルサイト
仏「Le Monde」誌のバレット・バレエに関する記事
(フランス語)
●町田康が芥川賞受賞!!<ミニニュース>
EATER創刊号でインタビュー、そして2号では表紙を飾った町田康(創刊時は町蔵)が芥川賞を受賞!
●短編映画とライブのクラブイベント
短編映画「歩人HOJINの完成を記念して、映画の試写会とバンドのライブがジョイントしたイベントが行われる。
「歩人HOJIN 」は、TV-CFを制作しているスタッフが自分達でフィルムを回そうと集まったプロジェクトZAN FILM PROJECTの作品。2000年でたった一歩しか歩かないと伝えられる「歩人」を巡る騒動を描いている。サウンドデザインをホッピー神山が担当。
ライブにはエンディング曲を提供したeX-Girlをはじめ、映画にも登場しているアフリカンリズムのLizmadelica 、ガムラン楽団CHANDRA
METUが出演する。
9月3日(日)
会場:恵比寿みるく(TEL03-5458-2826)
時間:18:00 OPEN 18:30 START
料金: \2000(2drink)
出演:短編映画「歩人HOJIN 」+ライブeX-Girl,Lizmadelica,CHANDRA METU
●佐藤寿保、大木裕之……ゲイ・シネマの名作が続々ビデオ化
日頃は特定の場所でしか上映されず、なかなか一般の観客の目に触れることのないゲイ・シネマ。その中には、監督の作家性が発揮された隠れた名品も多いという。このたび、ゲイ・シネマをより多くの人に見てもらおうと、ゲイ・シネマの老舗ENKプロモーションがそれらの名作の数々をシリーズ化して、ビデオ発売を開始した。
6月から毎月リリースされている作品は、ピンク映画四天王として知られる佐藤寿保監督(イーター3号インタビュー参照)のゲイシネマで、海外の映画祭で上映されアメリカ公開もされた傑作「狂った舞踏会」(オートモッドのジュネも出演)。映像作家として内外で高い評価を受ける大木裕之監督の代表作で、瑞々しい感性から女性ファンも多い「あなたがすきです、だいすきです」など。ツタヤなどのレンタルビデオ店でも扱うということなので、今まで興味はあっても観る機会のなかった人も、その深い世界に触れることができるだろう。パッケージのデザインも女性でも借りやすいように配慮されている。
(↑クリックすると大きな画像で見られます)
現在までのリリース作品
「あなたがすきです、だいすきです」監督:大木裕之、出演:CHANO 、渋谷和則 1994
「狂った舞踏会」監督:佐藤寿保、脚本:夢野史郎、出演:伊藤猛、ジュネ 1988
「思いはあなただけです」監督:北沢幸雄 出演:川瀬陽太(「ラバーズラバー」)1996
「たまあそび」監督:大木裕之(97年東京国際レズビアン&ゲイ映画祭招待作品)1996
「黒と黒」監督:新里猛作(98年度ピンク映画大賞ベストテン第3位)1998
「十八歳」監督:橋口卓明、脚本:月岡よみ、出演:モト大野、小林節彦1996
「こんな、ふたり」監督:池島ゆたか(98年度ピンク映画大賞監督賞、脚本賞)1998
「狩人たちの感触」監督:佐藤寿保、出演:伊藤猛(「雷魚」)吉本直人1995
「のんけ」監督:剣崎譲、出演:佐賀照彦、大木裕之(大木裕之が役者として出演)1997
●日本SF小説の父、海野十三のメモリアル・ブック完成
ミニコミ界の雄「ハードスタッフ」の発行者である小西昌幸氏(「イーター」4号インタビュー参照)は、現在地元徳島の出身で日本SF小説の父と呼ばれる海野十三(うんのじゅうざ)の文献資料の発掘に力を注いでいる。
海野十三(1897〜1949)は昭和三年に「新青年」でデビュー、科学知識を駆使した探偵小説を相次いで発表、その後青少年を対象とした科学冒険小説で人気を得る。その作品には現在の科学の発展とその危険な側面とが予見されており、近年再評価の声が高まっている。
小西氏は「海野十三の会」の理事として、文学碑の改修や講演会の開催などに尽力するとともに、海野十三の研究誌「JU通信」の復刻版を発行。それに続いて今回、没後五十年企画として「海野十三メモリアル・ブック」が出版された。これは単行本未収録の随筆、初公開の写真、没時に発表された江戸川乱歩等の追悼文に、現在の評論や記事を加えたもので、SFファンにとって貴重な資料となるだろう。また、江戸川乱歩、夢野久作、横溝正史、そして海野十三等、魅力的な作家を輩出した昭和初期の探偵小説の時代へと思いを馳せることもできる。海野十三の作品世界にもぜひ触れてみたい。
「海野十三メモリアルブック」
発行:海野十三の会、発売:先鋭疾風社 (地方小出版流通センター扱い)
定価:1200円+税
問い合わせ:徳島県板野郡北島町鯛浜字西中野81-1 先鋭疾風社 TEL088-698-2946
●新刊紹介:「パティ・スミス」「レイヴ力」
「パティ・スミス/愛と創造の旅路」ニック・ジョンストン著、鳥井賀句訳
ニューヨーク・パンクの女王パティ・スミスの半生を描いた評伝が出版された。筆者はパティの熱烈なファンである音楽ジャーナリスト。彼女の幼年期から、多くの人々との出会いを経て、ニューヨークのパンクロック・シーンへのデビュー、その後の舞台墜落事故や夫との死別、そして記憶に新しい97年の来日にいたるまで、今まで多くを知られることのなかった彼女の人生が克明にたどられている。また、パティに影響を与えた多くのアーチストへの言及や、彼女の作品に対する深い分析など、作家論としても充実している。
筑摩書房 定価2500円+税
「レイヴ力」鶴見済+清野栄一著、木村重樹編
あの問題の書「完全自殺マニュアル」の著者である鶴見済(つるみわたる)が、DJであり作家でもある清野栄一とともにレイヴの魅力を語り尽くした。「生きているってどういう感じだったっけ?って今までずっと思ってたのに。…ついにテメエの手でつかんでやったぜ!ザマアミロ!って感じだぜ!!」と語る鶴見は、レイヴとの出会いによって「生きている実感」をつかんだと言う。そのレイヴを楽しむ力=ライフ(生活/人生/生命)をつらぬく力をレイブ力と呼ぶ。鶴見済のパンク〜レイヴという軌跡は、「イーター」誌上でヒゴヒロシによって語られているレイヴ観(4号インタビュー及び連載「RAVE震源録」)と、交錯するところが多い。単なるレイヴ紹介の本ではなく、レイヴを通して今の時代に生きることを考えさせる、パワーを持った一冊だ。
筑摩書房 定価1500円+税
● ドキュメンタリー映像作家、森達也が活字で著した二冊の記録
オウム真理教を内側から捉えたドキュメンタリー・フィルム「A」によって話題を呼んだ気鋭のドキュメンタリー作家、森達也が、その映像作品を基にした本を相次いで出版した。
一冊は「A」の撮影の裏側を記録した『「A」撮影日誌』(現代書館、2000円+税)。既成の概念に捕らわれない個人の視点によってオウムを撮り続けたその過程が、赤裸々に記されている。
もう一冊の『放送禁止歌』(解放出版社、1800円+税)は、多くの歌がなぜ放送禁止
とされているのか、その背景を追って、メディア規制や差別表現について、画期的な問 題提起をおこなったTVドキュメンタリーの異色作を、文章によって再構成したもの。
6月末にロフトプラスワンで行われた『「A」撮影日誌』出版記念イベント』には、宮台真司、有田芳生、鈴木邦男等幅広い出席者に混ざって、「A」の<主役>でもあるオウム(現アレフ)の荒木広報部長も単身参加していた。
この他にも小人プロレスや超能力者など異端のドキュメンタリーを撮り続け、新しい ドキュメンタリー映画の地平を切り開いている森達也。「イーター」8号では氏の興味深いインタビューが掲載される予定だ。
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