80年代、日本パンクの草分け、女性だけのバンド「水玉消防団」のヴォーカリストとして活躍したカムラアツコは、その後英国を拠点にする日本人ポップ・グループ「フランク・チキンズ」のメンバーとしてカズコ・ホーキと組み、コミカルかつ演劇的ショーで世界を廻り、また即興ボーカリストとして、フレッド・フリス、ジョン・ゾーン、チャールズ・ヘイワード、ロル・コックシル他と共演した。
その幅広いキャリアを持つカムラアツコが、英国芸術基金2008年シンガーソング・ライター賞の最終選考候補に選ばれたイギリス人、ロバート・ストーリーと組み、歌手としての新しい領域に挑戦したバンドが、この「アイ・アム・ア・カムラ」である。2003年の結成から、ロンドンを中心にライブ活動。昨年、初のアルバムを出す。
曲想のルーツは、民族音楽、シャンソン、即興に根ざす直感性と冒険性。あるときは、30年代の場末のナイトクラブ、 線香の煙に霞む
博多の地蔵尊、スペインの赤い砂、ロンドンの寝室。 日本とヨーロッパの間に移ろう幻影を、劇的で繊細な感情の色で織り上げる。今回は、日本人メンバーでのライブとなる。
今回のメンバー
カムラアツコ (ボーカル)
ヒゴヒロシ(ベース)
日本のパンクムーヴメント黎明期にミラーズを結成。78年、日本初のインディー・レーベル、ゴジラレコードを設立。ミラーズ解散後80年にチャンス・オペレーションを結成し、90年代まで確固たるインディペンデントな動きを展開する。現在は自身のバンド、イハールコネクト、アンノジョウ、MAJIKA~NAHARU、パチクリエレガンスをはじめ、渋さ知らズ、のなか悟空と人間国宝周辺などでも長年に渡り活動を続ける他、多数のセッションを企画、参加し、既成の枠にとらわれない活動を通して、常に新たな視野を求め続けている。
熊田央 (ドラムス)
http://www.myspace.com/tadashikumada
神奈川県出身のドラマー。90年代は、Copass Grinderz、hi-speed、Weed Beats etc
で活動。現在は、gnu、ミドリトモヒデカルテット、ヒゴヒロシ氏のモルガナ実験室、マルサンズで主に活動中。他に、フレットレスベーシストのラブ君とのユニットLove-Bear、異形の語り部、ミクニ率いるFreezone
Dynamic Audio、ダモ鈴木ネットワーク、ギタリストとして、浮遊にも参加。
小沢あき(ギター)
http://www.myspace.com/akiozawa
1997年頃より自己のバンドを中心に、新宿PIT
INN、渋谷クロコダイル等で活動。アフリカや東欧、南米等の民族音楽、Jazz、Rock、現代音楽等を融合させたオリジナル曲や完全即興、ノイズ等々、アコースティック、エレクトリックを問わず精力的に演奏。現在、自身が主宰するavant
pop jam band「BYFAL」、ジャズやポップスのヴォーカリスト達との共演、エレクトロニクスのバンドへの参加、フラメンコギターによる自作曲の演奏、演劇や無声映画の伴奏など、活動の範囲は多岐にわたる。2005年11月、全曲フラメンコ・ギター一発録りによる初のソロアルバム「La
Puerta」をverde recordsよりリリース。
高良久美子(マリンバ・ビブラフォン・パーカッション)
東京藝術大学器楽科を卒業後、多岐に渡る音楽活動を開始。邦楽を仙波清彦に師事し“仙波清彦とはには隊”に参加。坂田明、黒田京子、芳垣安洋、大友良英等の率いるグル−プへ参加。また、ホッピー神山、巻上公一、千野秀一、松本治、内橋和久、大貫妙子等さまざまなジャンルのミュージシャンとライヴ、レコーディングやツアーを行なう。主要な活動の一つである“ボンデージ・フルーツ(鬼怒無月×勝井祐二×大坪寛彦×岡部洋一)”では海外各地で公演。ほかにもサイレント映画とのライヴ演奏、朗読とのコラボレーション、相米慎二監督作品や数々の香港映画、蜷川幸雄「マクベス」(2001年)、文学座「アラビアンナイト」等の劇団公演の音楽制作なども手がけている。