第一信(2001年6月)
イラスト:佐川一政
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まんだらけから、インターネットのテレビ出演の以来があった。先週収録。主に、昨年末に上梓した初めてのマンガ本『まんがサガワさん』(オークラ出版)の話をした。
「これは絵が凄い」と社長の古川さん。八十一年の「パリ人肉事件」に基づいて、しごくリアルに、しかし全体の感じはシュールに描いた天下の奇書だと、いささか自負している。
しかし、内容の過激さからか、取次店が配本を拒否、多くの書店には並んでいない。若い社員が、これは面白い!と、目立ったところに並べると、上から、そんなところに置くなと言われたとか。
インターネットでも話題になってますよと、若い女性二人から言われもした。つまり、若い人(殊にどういう訳か女性)に人気がある。
ところが版元にきくと、「いやあー、あれは売れてませんよ。どんどんと返品がきています」。一体このギャップは何なんだろう。本屋にその本が置いてなくても、書店に注文すれば届けてくれる筈。確かに、置いてあるのを手にとってみられたら、買ってくれる率も上がるのだろうが。
犯罪をテーマにしたといっても、決してキワモノではない。その辺りは七月に出る雑誌「コネクト」で、ライターの本橋信宏氏が見事に評してくれている。是非読んで頂きたい。
このページをみてくれた方々が、すぐに書店に走って、『まんがサガワさん』を買ってくれたら嬉しいなあ。というのも、今僕は、白人女性に貢ぎすぎて、まったくのスッカラカンなのだ。この本が増刷されて印税をもらえなければ、食うものも食えず、挙句に、空腹の余り、またイケナイモノを頂だいしてしまうかもよ。
では来月、またお目にかかりましょう。
六月十三日 佐川一政(さがわいっせい)
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