ここ数年の三上寛の充実ぶりは、目を見張るものがある。
アングラ・フォークの騎手として1970年代初頭から時代の最前線を突き進んできた三上寛は、90年代に入るとギターをエレキギターに持ち替え、オルタナティブなロック・シーンと深く結び付いていく。灰野敬二、石塚敏明、ジョン・ゾーン、遠藤ミチロウをはじめ多くのミュージシャンと共演を重ね、その情念の歌世界を深化させた。
そして2004年、三上寛の世界は海を渡る。初めて訪れたフランスの地で熱狂的な反響を得て、それ以来毎年ヨーロッパ各地へのツアーを敢行しているのだ。
故郷・津軽を飛び出してから40年、三上寛の旅は遥か欧州の地にまで達し、そこに故郷に通ずる土の香りと生きることへの誇りを見出した。そして、それが彼の音楽をさらに豊かなものにしている。
今回は、バンド形体のKAJUZZ(カグズ)で出演。カグズとは津軽弁で家の裏とか裏庭という意味らしい。
KAJUZZ 三上寛(vo,g) 鈴木常吉(accord,vo,g)
広沢哲(ts) 石原謙(ds)