第二話『犬のJONとタロウ』

 2001年1月30日、西荻窪ターニングにて、私のプロデュースで『地下紅白歌合戦』というのをやりました。
知り合いのアーチストに声をかけ、男女8組ずつ紅白に分けて、一曲ずつ。司会や応援合戦、審査員も用意した本格的なものでした。
 私が白組団長、石川浩司が白組応援団長で、白組も健闘したのですが、最終的に37対38で紅組の勝ちとなりました。アンケートからすると、その大きな敗因のひとつに、紅組のJONの存在が挙げられます。



 以前にも数回共演したが、最初見た時は、白黒のぶちのぬいぐるみで、どう見ても私には牛にしか見えませんでした。「皆から可愛いと言われるので変えた」という最近のモノは、私には、どう見ても狼にしか見えませんでした。
 犬のJONをご存知ですか?

犬のぬいぐるみをかぶり、犬の気持ちでオルガン弾いて唄う、という何ともユニークなアーチストです。そのオルガンがまたいい。
 私はリアリズム派なので、男が女の気持ち唄ったり、女が男の心を歌ったりしてると、「てめえに何がわかる!」と反発してしまう方なのですが、人間が犬の気持ち唄ってるJONに対しては、なぜか反発心はおこりませんでした。ぜひ一度、ご覧下さい。



 犬のタロウは、ご存知ですか?
 歌こそ唄いませんが、日夜、大谷家の近辺警護に当たってる我が家の愛犬です。犬は飼い主に似るといいますが、ウチのタロウも女の人の足の臭いを嗅ぐのが何より好きで、すぐにクンクンしたがります。所かまわずオシッコしたがる所も、私にそっくりです。
 可愛いやつです。

 犬は無邪気で正直です。
 犬は嘘をつきません。
 いっそ犬に政権をまかせてみては、どうでしょう?

 厚生大臣は、盲導犬から選出しましょう。
 法務大臣は、警察犬から。
 外務大臣は、田中真紀子がシェパード犬のぬいぐるみをかぶって続投。
 そしてJON総理。JON成犬。
 自分で何を言ってるかわからなくなってきました。

 JON。いつかまた紅白やる時は、また出てね。
 今度こそ白組が勝つぞ。 (完)

 

 

大谷通信表紙


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