イーターロゴLive


ライブレポートINDEX

TOPPAGE



 

 Live Report


オルガンヴィトー & 十貫寺梅軒プロデュース
「泡のエントロピーII」 公演

2000年8月24日(木) 下北沢「劇」小劇場

イーターでもお馴染みの演劇集団オルガンヴィトーの二年ぶりの公演を観てきた。

 今回は唐十郎率いる状況劇場で唐氏の片腕として活躍してきた経歴のある十貫寺梅軒氏をプロデューサーに迎えての公演だ。劇作と演出は十貫寺氏が担い、劇団主宰者である藤原京は久々役者業に専念している。その演技は色気と存在感があり実に魅力的。今夜は声に惚れた。いい。とにかくこの劇団は役者がいい!主役から脇役まで、味がいい腕がいい姿勢がいい。脇の柱、大久保了氏の快(怪)演ぶりは今回も思わず笑ってしまうほどスゴかった。

 ちょっとだけ内容の話しをする。泡、エントロピーという言葉から連想されるように 、バブル期から現在に繋がる後遺症のお話だ。金の亡者があふれていたバブル期にどこかへ放っぽられてしまったモラルや恥は、崩壊後には行方知れずとなり・・男と女は苦闘する。高校生も苦闘する。それは、現在の我らへ逃げるなと投げかけているようだ。いつもはアブノーマルな役が多い美形役者の長谷川公彦が、そんな苦闘する アル中療養あがりのノーマルな男を好演。対する女は藤原京が演じる。胸元にでかい水引きをつけたとんちんかんで派手な衣装に身をつつみ、アル中の後遺症がちょっと残っているけどまともな生活感を持つかわいい女を好演する。苦闘する男と女の差異にも興味深いものがある。投げかけられた種にはいろいろと考えさせられる。2000年だ、考えろ。世紀が変わるまでに考え抜け。ってことか。

  今夜は初日、まだ間に合うのでぜひご覧あれ。(ポ)

8月24日(木)〜30日(水)
下北沢「劇」小劇場にて19:30より公演中(日曜日は15:00より)
問い合わせ
03-3324-1701(オルガンヴィトー)
03-3466-0020(「劇」小劇場)


link:
オルガンヴィトー

 


Copyright(C), 2000 TELEGRAPH FACTORY Inc.
▲ 問い合わせ info@eater.co.jp