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Report
9月18日、オルガンヴィトーの芝居へ行って来ました。蚊帳の中を思わせるように空間作られた階段を上っていくと、客席は舞台を囲むように設置されています。小劇場ならではの舞台と観客の近さをあらためて実感させられる作りになっています。さらに客席を囲むようにヤカンや鍋で作られた打楽器のような小道具が置いてあるのも気になります。 さて今回のお話はどんなかと言えば、それはそれはディープな題材です。親からの虐待のせいで根深い傷を負ってしまっている生徒達の苦しみとそんな子たちを扱いかねて理解することを遮断し、さらに傷を負わせてしまう教師達(大人達)の姿が繰り広げられます。あまりに現在進行形の問題だけに笑いの要素はほとんどなく、実際にそこらで起きているであろうシーンの数々に客の顔も強ばり気味で、音楽の効果でさらに恐怖すら感じさせられる緊迫感に満ちていました。入場時に見かけた打楽器のような小道具はまさにその為のもので、"Inorganic congeal"というユニットの生演奏と共に生徒役の若い団員達が狂ったように叩きまくっていました。 最近オルガンヴィトーはワークショップを開始しています。今回の舞台はその第一弾に参加したワークショップ生の登場もあるせいか、まるで直球を投げつけられたような、ある種表現の原点を感じさせる「若さ」を見た気がしました。「喪失されつつある演劇のロマンを蘇らせたい」「観客と『劇的』なるものを共有したい」という芝居のチラシに寄せられた不二稿京女史の言葉を体感し、小劇場の魅力を若い世代へ繋ぐ意志を感じさせられた舞台でした。 次は映画第二弾『イド』の公開が待ち望まれます。オルガンヴィトーの新たなる挑戦状を受けるべくサバイバルしようという気にさせられます。 (ぽ)
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